エスノグラフィー調査

またエスノグラフィー調査を始めた.

今回のエスノグラフィー調査は利用状況を知ることが目的ではないし,ちょっと事情がありとても短期間で行わなければならず,その意味では「簡易エスノグラフィー調査」と言った方がいいかもしれない.しかし調査手法は伝統的なエスノグラフィー調査の方法を適用している.

ところで,最近日本にもエスノグラファーが増えて来た.
それだけ仕事のニーズがあるということか.まだ学校での専門教育は無いはずだから,実地的に学んでいるのだろう.最近の傾向を見ていると,訪問インタビューに毛の生えた程度の簡易的なものが多い(これも簡易エスノグラフィーである).

エスノグラフィー調査を本格的にやろうとすると期間が長くなりコストもかさむ.メーカーは外部に依頼しにくいのだ.どうしても簡易的にならざるを得ない.

一方いわゆる一般のオフィスは,機密保持の関係で外部の侵入を拒むので,一定期間滞在するエスノグラフィー調査は実施しにくい.実施できるのはせいぜいオーナーと交渉しやすいSOHO型オフィスなど,小規模な事業所に限定されるであろう.規模も簡易的にならざれを得ない.

このような制約の中でオフィスでのエスノグラフィーをやるには,やはりメーカー内部のUX部門などが中心に活動するのがいいだろう.僕の経験でも,UX部門が直接営業部門にコンタクトし,ロイヤルカスタマーなどを探すのがもっとも近道だ.僕の場合はこのやり方で2週間の滞在型調査を行ったが,手間隙は尋常ではなかった.

今月,再びエスノグラフィーのプロジェクトを立ち上げるので,その様子などもここに書きたいと思う.

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