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介護をするようになって分かったこと

介護には要介護認定という制度があります。

要介護認定のプロセスはWiKiに詳しいが、市町村の役所から調査員が来て聞き取り調査を行い、主治医などに病状などを確認した上で要介護度を認定します。介護認定レベルには要支援1から要介護5まで7段階あり、要介護5が一番介護度の高いランクです。各レベルは、要はサービス費用に対する補助額の上限で区分されています。

直接金銭が与えられるわけではないです。サービスを利用しなければ何のメリットもないし、例えば要介護度1であれば、毎月約17万円までの補助が受けられるという仕組みです。そして必ず1割は自己負担となっています。

サービスメニューは結構多彩で、大きく、訪問と通所の2種類に分類され、目的によって細分化されています。介護施設といっても様々なので、事前に下見などすることが重要です。サービスは申し込めば自由に受けられるというわけではなく、必ずケアマネージャーと相談し、助言を受けながら利用するサービスを決めます。但し介護施設の場合は体験通所ということは可能です。下見の一環で体験通所してみて、候補を絞り込むという具合です。

このケアマネージャー制度も結構複雑で、地域のケアマネージャーを統括する人がいて、まずその人と相談して、担当するケアマネージャーを決定します。ケアマネージャーにも得意不得意があるようです。最近、厚労省の介護保険を抑制する政策もあって、調査員は介護認定度を辛目に認定する傾向もあるようです。今まで要介護1だった人が非対象者にランクを下げられることもあるようです。

認定には期間が定められていて、半年後とか一年後とかに必ず再調査がありますから、一度要介護1に認定されたからといってずっとそのままかというとそうではないのです。おまけに、〔今までと同じ要介護を望むか。低めに認定されたいか。高めに認定されたいか〕というような変なアンケートがあります。

実は、介護サービスは認定度が高いほど介護料も高いので注意が必要です。同じサービスでも、介護度の高い人は低い人より高い料金になるのです。弱い人が高い料金を払うというのは何か辺です・・・。もし非対称者になってしまったら、いままで受けていたサービスは、全て自費ということになってしまいます。

これって厳しいですね(涙)

手首用のエリザベス

介護用品の中にも拘束具にあたるものがある。

暴れる人を縛るとか、体をベッドにくくり付けるなどは知っていたが、こんなもの(図)があるのは、最近はじめて知った。看護士の間では「エリザベス」と呼んでいるようだが、要は「エリザベスカール」の手首版である。エリザベスカールは犬が体を舐めたりするのを防ぐことを目的にしているようだが、この手首用エリザベスは、被介護者の手首にする。手首用なので「カール」が付かないのだろう。
痴呆が進んだ被介護者が、点滴注射用の「置針」(腕に刺しっぱなしにしておく注射針のこと)を自分で抜いてしまったり、包帯を外してしまったりしないようにするのが目的である。理屈では分かっても、見た目はなんともイヤな感じがする。人を人扱いしていないような感じがするのだ。理性的な判断ができない痴呆患者に、限られた人数の看護士で対応するのは想像以上に大変で、やむを得ないのかもしれないが、はいそうですか、とは簡単には言えないような思いがするのだ。
こうゆう器具は日常使われている、いや使わざるを得ない現実は、やはり問題だと言わざるを得ない。

近代的な病院の看護端末

介護でほぼ毎日病院に通っている。
有名人も利用する日本でも有名なT病院の分院だが、分院なので本院より新しく、設備も近代的である。勿論バリアフリーもしっかりしており、ゆったり造られている。だが、看護士が使用する看護管理用の端末を見て、考えてしまった(写真)。要は医療用のワゴンの上に無線仕様のノートPCが乗っているだけで、その周りには、看護器具や介護用品がただ雑然と乗っている。一応医療用ITシステムは稼動しているようで、カルテの照会や介護管理は全てオンラインでできるようだが、かといって良く見る画板と手書きの用紙はあいかわらず使用している。なぜ統合しないか、理由は定かではないが、とにかく、ITの統合化はまだ途上のようだ。
そんなことを考えていたら、「病院たしくない病院」というコピーが目に入った。千里リハビリテーション病院というところだが、内装は木目を多用し、落ち着いた雰囲気で什器も気の利いたものを使用しており、確かに病院らしくない。まるで広々したリビングルームのようだ。こんなところで療養したら、回復も早いのではないか。こんなところでは看護端末はどうなっているのだろうかと、とても気になった。